下関平家踊り・ 音頭

源平音頭

 

「源平音頭」


頃は寿永の四年の昔
奢るものは久しからず
譬えの如く平家の軍勢
都落ちして鵯越や
四国屋島と追われに追われ
海を逃れてここ下関
安徳帝と其の神宝を
抱えまつった知盛はじめ
平家一門戦いで
勇みに勇む源氏方
「ほこを一気につぶす謀計」
片や源氏は其の御大将
九郎判官かの義経は
数多集めたその兵船を
長府沖にと攻め寄せければ
これと知ったる平家の勢は
彦島側にと陣立て並べ
今か今かと待ち受けにける
時は弥生の二十と四日
雨雲垂れて風なまぐさく
戦機益々波間を覆う
刻一刻経つ午下がり
潮は東にたぎりたつ
荒い潮路に船進めなば
源氏破るはいと易しとて
知盛輩下に宣いければ
今や攻撃平家の軍船
雪崩うって長府の沖へ
されど義経したたか者よ
これと予期して無理禁物と
味方の船をば引くだけ引いて
潮の変わるを待つ謀計
潮は果たして早さを緩め
西へ西へと流れを変える
ここぞとばかりに義経公は
船を整え襲いにかかる
周章狼狽平家の船に
飛び移って楫取を斬る
先手見る間に崩れに崩れ
船の足並み乱れに乱る
白や赤旗波間にもつれ
赤い血潮は海をば染める
今や知盛これまでなりと
教盛卿と腹一文字
続く武士相果てなさる
齢八つの安徳帝も
二位の局に抱かれながら
波の底なる都とやらの
弥陀の浄土に旅立ちなさる
二十余年の栄華も夢よ
平家末路はわびしく消えて
今に残りし先帝祭
昔偲んで悲しく哀れ

                    

 

 

 

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